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心理占星学入門 第2章 黄道12宮のメカニズム

ゾーデイアック(Zodiac, 黄道獣帯)黄道12星座とは?

地球から眺めると、360度の天球空間には、様々な天体がいろいろな方角に見えます。
実際には地球が太陽の周りを公転しているわけです。が、走っている電車の中から、止まっている電車を眺めると、あたかも自分の乗っている電車が止まっていて、むこうの電車が後ろ向きに走っているように見える。といった奇妙な目の錯覚が起こります。

同様に、動いている地球から、静止状態の太陽を見ると、太陽が地球の周りをまわっているように見える。地球から眺めたこの見かけ上の太陽の通り道を「黄道」と言います。
さらに地球の赤道を、天球上に引き伸ばしたラインを、「天の赤道」と言います。

 ところが、地軸(地球の北極と南極を結ぶ軸)は、黄道面(天球の見かけ上の太陽の通り道)に対して、約23度余り傾いているため、「天の赤道」と「黄道」には二つの交点ができます。フラフープを2本ずらして重ねたような状態です。
 南から北へ向かう交点を「春分点」、北から南へ向かう交点を「秋分点」と定めます。
そして黄道上、上下8度ずつの幅を持たせた天球上のベルトを、ゾーデイアックといいます。さらにゾーデイアックは30度ずつ12分割され、これを12星座というわけです。

ゾーデイアックの図

 地球の公転周期は1年です。つまり毎年春分の日、3月21日に地球から眺めると、太陽は牡羊座0度の方角に見える。つまり、春分の日生まれなら1940年でも1985年でも、その人が生れた瞬間、太陽は牡羊座の空間に見えます。
これが「あなたは牡羊座生まれです。」と、雑誌に書かれている所以。厳密に言うと、「あなたが生れた春分の日、太陽は牡羊座の空間に位置したので、牡羊座生まれとなります。」という次第です。

 さて。この12の空間ですが、虹に七つの異なる色合いがあるように、ゾーデイアックの12星座もそれぞれも空間に、異なるカラーがプリントされている、と考えられます。自然の地形や月の満ち欠けが人の心に影響を与えるのと同様に、宇宙空間にある天体の配置と人間の間にも共鳴関係が生じる、と私は思いますね。
 だから牡羊座の空間に太陽がある時に生まれた人、俗に言う牡羊座生まれの人は牡羊座空間のカラーを、心の奥底にインプリントして、この世に降り立ったと言えるでしょう。

 先ほど、地球の公転周期は1年なので、春分の日に生まれた人は年が違っても、「太陽が牡羊座の空間に見えるので、牡羊座生まれ」と書きましたが、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星は、それぞれに公転周期が異なります。
 おいおい詳しく述べますが、例えば月の公転周期はわずか約27.3日。比べて冥王星は約245年と、大幅に違いがあります。つまり誕生日が同じでも、生まれ年が変わると、太陽以外の天体の配置が変わってくるわけです。

太陽系宇宙の惑星

そしてその人が生れた瞬間、その土地から眺めた、360度パノラマ太陽系宇宙に存在する
天体の位置を印したものを「ホロスコープ」と呼びます。

ホロスコープ

 ホロスコープの円の下半分(北半球)は夜の領域。上半分(南半球)は昼の領域です。
先ほど「その人が生れた瞬間、その土地から眺めた」と書きましたが、たとえ同じ瞬間でも、イギリス正午は、日本の同日午後9時です。つまりイギリスで生まれた場合、太陽は南中点に高く上って見えるのに、日本で生まれると太陽は地平線下に沈んでいます。

ホロスコープの昼の空間と夜の空間

太陽と地球と月の位置関係

さらに新月生まれだと、太陽と月は同じ方角に見える。イコール同じ星座にあります。満月生まれだと、太陽と月は180度正反対の方角に見える。つまり対角の星座に位置することになります。

月の満ち欠け

このように太陽以下、冥王星まで10天体の配置を360度の円に描き出し、その人が生れた瞬間に、宇宙空間にインプリントされたパターンとその可能性を読み解いていこうというのが、アストロロジーの営みです。

 余談になります。冥王星に関しては、その軌道が太陽系の惑星の基準から大きく逸脱していることで、天文学では太陽系の惑星からは却下されたのですが、アストロロジーでは従来通り、冥王星も仲間に入れて考えます。
 理由は。例えば奈良の三笠山があまりに低く、山の高さの基準を満たしていないとしても、奈良の人達が毎日眺め、恋い慕う三笠山への思いに変わりはありません。奈良の人達にとって三笠丘ではなく、やはり三笠山なのです。これと同様に冥王星が太陽系惑星軌道の基準を逸脱していても、その天体に「冥界の神ハデス」と名づけた、冥王星に対する人間の思いに変わりはないから、と私は考えます。

そもそもアストロロジーは、五感の世界の事実だけを追求立証する学問ではないのですが、物質と精神が全く切り離されてしまった現代社会では、五感の世界で証明できないものは受け入れ難いという考えが、はびこっているように感じます。
私自身は、アストロロジーを学ぶことで、生きとし生けるもの全ての有機的なつながりを
取り戻すことを願います。

 以上、簡単なホロスコープの仕組みの説明でしたが、次回から順を追って12星座に入りましょう。