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2016年度 英国占星学協会年次大会

2016年9月9日から11日、今年も昨年同様、ケンブリッジ近くで英国占星学協会の年次大会が催されました。2001年ニューヨークテロ事件以来、海外、特にアメリカからの参加者が減ってしまった年次大会。ですが、今年は昨年の約150名を大きく上回り、180名が訪れ、にぎやかな大会となりました。

昨年同様、大志田寛子さんが感想を綴って下さいましたので、ぜひご一読下さい。

なお、今大会の報告も兼ねて、

11月12日(土曜日) 日本時間午後8時から10時
「占星学オンライン無料オープンデー」を開催!

どなたでもご参加頂けます。
詳しくは、セミナーページをご覧ください。

そして昨年に引き続き、ロンドンのファカルテイー(The Faculty of Astrological Studies)で占星学の造詣を深めていらっしゃる大志田寛子さんがレポートを書いて下さいました。
ぜひご一読ください。

2016年度英国占星学協会年次大会に参加して
大志田寛子

 9月は日本では台風の季節ですが、私にとってはすっかり年次大会の季節となってしまったように、今年も懲りずに英国占星学協会年次大会へ参加してまいりました。毎年初春の頃にはパンフレットが完成し、占星学協会員の元へ郵送されますが、それを見ると今年は日本人スピーカーが二人(ユキコさんと鏡リュウジさん)とのことで、例年よりも日本人参加者が多いのではないかな?と思いながらの出発。今年のテーマは「BUILDING BRIDGES AND EXPANDING OUR HORIZONS」、「橋をかけ、世界を広げよう」といったとこでしょうか。今年もいろいろな参加者とお話ができますように~!と、実りある大会を期待しながら、台風や豪雨をすり抜け、英国へと向かいました。

発表者の名前が、時間ごとに部屋の前に掲示されます。

 会場は今年も、ケンブリッジ近郊のセントニオッツ(St. Neots)にあるカンファレンス会場にて行われます。着いて驚いたのが、「今年は大会参加者が多いので、別館に宿泊される参加者もいますよー」というアナウンス!聞いてみれば、このセントニオッツのカンファレンス会場で大会を開くようになってから、一番参加者が多い年だったそうです(今年は180人くらいが参加されたよう)。メイン会場に宿泊になると、カンファレンス会場と直結しているので移動が楽なのですが、別館は徒歩で10分弱の場所にあるので、どっちかな~~と思っていると、「はい、あなたは別館ね!」とあっさりの回答が。ちょっと残念だな~と思いながら、別館宿泊者の名前を見渡せば、ダービー・コステロさんやジェフリー・コーネリアスさんなど、世界に名だたるアストロロジャーたちの名前が、、、勝手な連帯感を抱き、荷物を部屋に置いたら、もうカンファレンスはスタートです!会場をいつものごとくウロウロすれば、知ってる顔がチラホラ。私は英国のthe faculty of astrological studies(通称ファカルティ)に通っているので、ファカルティの先生たちに会えば、女子的なノリでキャー!と抱きつき、近況報告です。今どうしてるの~、これからどうするの~、相変わらず素敵ね~、なんのコスメ使ってるの~、なんて、占星学とは関係ない話で盛り上がれるのが女子の特権でしょうか。この他愛ない話題で盛り上がっていると思えば、去年のスピーカーだったアラン・エアさんを見かけ、「去年のセミナー楽しかったです!」との報告に駆け寄ったり。アラン・エアさんは日本ではほぼ無名ですが、サッカー大好きが高じてサッカーと占星学の関連性を研究してらっしゃるアストロロジャー。このように年次大会へ来て、存在を知り、ファンになるなんてことは多々あることではないかな~と思います。

 話に花を咲かせているうちに、カンファレンスのオープニングトークが始まります。これは毎年、占星学協会理事長のロイ・ジレさんが行いますが、中には参加せずにロビーや中庭で話をしているひとたちもチラホラ。年次大会はプログラム通りに過ごしても、自分の好きなように過ごしても良いので、気負わずに過ごせるのも良い部分だと思います。あたりを見回してみれば、やっぱりチラチラ見かける日本人の参加者たち。話をしてみると、皆さん日本でアストロロジャーとして学ばれたり、お仕事をされている方たちばかりで、この大会で出会えた縁というものをひしひしと感じながら会話を交わしているうちに、クリスティーン・スキナーさんによる「ザ・エレガント・ユニバース」というタイトルの初日最後のトークが始まりました

満員だったクリスティーン・スキナーさんの全体トーク

 これは空のメッセージを聞いて、自分のダイヤルをちょっと変えて影響の変化を起こそう!というお話です。二年ほど前に起きたカーディナル・Tスクエアで何があったか、という振り返りから始まり、ヨーロッパで起きた嵐の被害を例として出されていました。飛行機などが飛べなくなってしまった異常天候が冬にありましたが、また来年になると同じくカーディナル・Tスクエアが形成される、そのときに私たちは前回の経験を活かし自分たちのダイヤルを変えてみてはどうか、という問いかけが。これにまた例を出し、現在の土星と海王星のスクエアならどうでしょう?と話は続きます。土星と海王星のスクエアの例として、「凍りついた音楽」「古典的な衝動」「コントロールされているのに、落ち着きがない」をあげてから「まるでボレロ(ラヴェル作曲)みたいね!」という彼女の言葉に、皆が拍手を送ります。このトークは全体的に美しく、完成度がとても高いもので、聞いていて飽きることがありませんでした。

 土曜日と日曜日は、セミナーの連続です。今年は楽しむことを第一に考えていたので、休憩をとりつつの参加をしてみました。すると、年次大会の落ち着いた部分が見えてくるという発見が。ロビーのソファで話をしていれば、そこを通りかかるひとと挨拶を交わし、何気ないことから会話の輪が広がっていきます。今年はSolar Fireというホロスコープ作成ソフトを開発している女性と話をすることができ、なんと「あなたのことを覚えているわ!私が(CD-ROMを)送ったのよ。」と、Solar Fireを英国から購入した私のことを覚えていてくれたようで、奇遇な縁に感激して話が盛り上がりました。

 私が印象に残ったセミナーのいくつかをあげると、まずはファカルティの先生でもあるキャロル・テイラーさんの「セルフ・アンド・アザー」。

セミナー時のチャートを紹介するキャロル・テイラーさん

 ファカルティらしいきちんとまとまったアプローチで、アセンダントとディセンダントの関係性についてお話が繰り広げられました。彼女は「ディセンダントはアセンダントのストーリーの完成する場所」という表現をし、その美しい表現に引き込まれる一方です。ディセンダントはよく「パートナー」と位置付けられますが、彼女が「ディセンダントは誰かとの出会い。そんなこと、よくあるじゃない?カフェとか、スーパーマーケットとか!」「そこで出てくるのがディセンダント、そして両親との関係にだってディセンダントは出てくる、だって生まれてきて最初に出会うのが両親でしょ?」という発言に一同が納得の笑いに包まれます。一見するとアセンダントとディセンダントのシンプルなセミナーですが、かなり濃い内容のセミナーだったと思います。

 アナ・アンドレーデさんの「フューリーズ(不和や恐れの女神たち)」をタイトルにあげたセミナーもおもしろかったです。

ペルーからいらしたアナ・アンドラーデさんのセミナーは笑いがいっぱいです。

 彼女は「ダークスタッフは私の得意分野よ!」と豪語するペルーのアストロロジャー。占星学で扱う惑星たちはギリシア神話の神々を象徴したものですが、その神話の話をさらに掘り下げ、パラスアテナとの関連性についても言及したアプローチは、神話好きにはたまらない内容だったと思います。何より、彼女の太陽のような人柄も魅力的で、参加者たちの心をほぐしていくよう。セミナーの最後には「私があなたたちのフューリーズになるわよ~、私のペルーからのお土産をもらって帰らない限り(セミナーの)部屋から出さないんだから!」と、参加者たちの笑いを誘い、日曜日の午後という参加者には疲労の色が出始める時間帯ではありましたが、皆リフレッシュしたような面持ちでセミナーを後にしていました。日本人二人のスピーカーが参加するということや、南米からもこうやってスピーカーとして参加される方がいるのだと知ると、いつか私の占星学仲間もスピーカーになるのかな、なんて期待をしてしまいます。

 毎年、始まってみればクロージングの挨拶まであっという間です。年が明けて、パンフレットを手にしたときから首を長くして年次大会を待っていますが、いざ当日になってしまえば本当にあっという間に時間は過ぎていきます。皆が帰った後の会場はガランとしていますが、翌日には他の団体のカンファレンスが開かれたりと、会場の流れを見ていると、自分も不思議と感傷的にはならず「さぁ、今度は自分の番だ!」なんて気合いが入るようになりました。毎年ではなくとも、旅行がてら参加してみるというのも、一種のカンフル剤のようになっていいのではないかなと思います。日本とは違う舞台でアストロロジーの世界を覗いてみると、思いもよらなかった発見があるというのも事実です。ぜひドアをノックしてみることをお勧めします。英語がわかる、わからないに関わらず、そこにはいつも仲間が待っているのですから。

気になるお食事。
今年からベジタリアン、ビーガンの他に、「お肉だけNO!」のペスカトリアンの登場です。

 さて、気になる別館宿泊ですが、ディナーの後の夜空を見上げて帰れるのが素晴らしいポイント。これは本館宿泊では気がつかないことですが(なので私も今年まで気がつきませんでした)、何も遮るものがない会場周辺では、満天の星空を楽しむことができます。これには思わず「わぁ!」と喜びの声を上げることに間違いないでしょう。